株式保有数に応じて、クオカードが贈られます。
保有株式数 | クオカード |
100株以上 | 1,000円相当 |
500株以上 | 2,000円相当 |
5,000株以上 | 3,000円相当 |
25,000株以上 | 4,000円相当 |
◆贈呈時期
12月末の権利確定による株主優待と配当金関係書類は翌年3月末の発送を予定しております。
202 2年9月22日
各 位
会社名 株式会社アウトソーシング
代表者名 代表取締役会長兼社長 土井 春彦
(コード番号:2427 東証プライム)
問合せ先
取締役
経営管理本部管掌
梅原 正嗣
電話 0 3- 3 2 8 6- 4 8 8 8(代表)
東京証券取引所への「改善状況報告書」の提出に関するお知らせ
当社は、2022年3月8日提出の改善報告書につきまして、有価証券上場規程第505条第1項の規定に基づ
き、改善措置の実施状況及び運用状況を記載した改善状況報告書を、本日、別添のとおり提出しましたのでお
知らせいたします。
なお、改善状況報告書には、2022年8月15日公表の「「2022年12月期第2四半期決算短信〔IFRS〕
(連結)」の一部訂正について」でお知らせした、チリの連結子会社であるSLグループで発覚した財務諸表の
信頼性不足等の問題に関する改善措置も策定しております。当該改善措置については、「2. 改善措置並びにそ
の実施状況及び運用状況等」の「(2) 2022年12月期第2四半期決算短信〔IFRS〕(連結)の訂正につい
て」(改善状況報告書85頁~89頁)で説明しております。
別添書類:改善状況報告書
以 上
1
改善状況報告書
2022年9 月22日
株式会社東京証券取引所
代表取締役社長 山道 裕己 殿
株式会社アウトソーシング
代表取締役会長兼社長 土井 春彦
2022年3月8日提出の改善報告書について、有価証券上場規程第505条第1項の規定に基
づき、改善措置の実施状況及び運用状況を記載した改善状況報告書をここに提出いたしま
す。
2
目次
1. 改善報告書の提出経緯 ....................................................... 6
(1) 過年度決算訂正の内容 ................................................... 6
① 訂正した過年度決算短信等 ............................................... 6
② 過年度決算短信等の訂正による業績への影響 ............................... 6
(2) 過年度決算短信等を訂正するに至った経緯・原因 ........................... 8
① 会計監査人への内部告発 ................................................. 8
② 外部調査委員会の設置 ................................................... 8
(3) 本件事案の概要......................................................... 9
① 売上架空計上........................................................... 9
② 費用繰延(経費等の先送り) ............................................ 10
③ 売上早期計上.......................................................... 13
④ 仕掛品過大計上........................................................ 14
⑤ 前渡金の過大計上 ...................................................... 15
⑥ 受注損失引当金過少計上 ................................................ 15
⑦ 売上の付け替えによる減損損失回避 ...................................... 16
⑧ 固定資産の不適切な計上 ................................................ 16
⑨ ソフトウェア過大計上 .................................................. 16
⑩ 前受金の不適切な計上 .................................................. 16
(4) 不適正開示の発生原因の分析 ............................................ 16
① 右肩上がりの成長への固執、予算達成へのプレッシャー .................... 16
② 事業部門の適切な会計処理に関する意識と知識の欠如と牽制すべき経理部門の未
成熟な体制 ........................................................... 17
③ 内部牽制及び内部監査が不十分であったこと .............................. 19
④ 取締役会及び監査等委員会における監視・監督機能の不備 .................. 20
⑤ 内部通報制度の機能不全 ................................................ 20
⑥ 取引先からの本件事案への協力を得られやすい事業環境にあったこと ........ 21
2. 改善措置並びにその実施状況及び運用状況等 .................................. 22
(1) 改善報告書記載の改善措置並びにその実施状況及び運用状況 ................ 22
① 経営責任の明確化 ...................................................... 22
② 経営トップ主導の企業風土改革(1.(4)①に対応) ......................... 22
③ コンプライアンス意識の改革、再発防止策の徹底(1.(4)②に対応) ......... 28
④ 経営体制の強化(1.(4)②、③に対応) ................................... 45
⑤ コーポレート・ガバナンス体制・組織体制の再構築(1.(4)②、③、 ④に対応)
................................................................... 46
3
⑥ 内部統制部門の強化(1.(4)②、③に対応) ............................... 64
⑦ 内部通報制度の見直し(1.(4)⑤に対応) ................................. 74
⑧ 会計処理に係る社内ルールや経理会計システムの見直し(1.(4)②に対応) ... 78
⑨ 実現可能な事業計画・予算の策定(1.(4)①、② に対応) ................... 81
⑩ 不正の温床となる取引契約の終了(1.(4)⑥に対応) ....................... 84
(2) 2022年12月期第2四半期決算短信〔IFRS〕(連結)の訂正について ..... 85
① 訂正するに至った経緯・原因 ............................................ 85
② 決算短信訂正に至った背景と改善措置 .................................... 86
(3) 改善措置の実施状況及び運用状況に対する上場会社の評価 .................. 89
4
【主な用語・定義集】
定義語 正式名称・意味等 初出箇所
OS 株式会社アウトソーシング 1.
OST 株式会社アウトソーシングテクノロジー 1. (2)①
OSグループ OS及びOS子会社並びに持分法適用会社 1. (2)②
OSTグループ OST及びOST子会社 2. (1)①
EN 株式会社アネブル 1. (2)①
RPM 株式会社アールピーエム 1. (3)②
アドバンテック アドバンテック株式会社 1. (3)①
共同エンジニアリング 共同エンジニアリング株式会社 1. (3)②
シンクスバンク 株式会社シンクスバンク 1. (3)①
スリーエス・ジャパン 株式会社スリーエス・ジャパン 1. (3)②
トライアングル 株式会社トライアングル 1. (3)②
モバイルコミュニケーションズ 株式会社モバイルコミュニケーションズ 1. (3)①
PEO 株式会社PEO 1. (3)②
ORJ 株式会社ORJ 1. (3)②
OTS 株式会社アウトソーシングトータルサポート 1. (3)②
グローカル グローカル株式会社 1. (3)④
エコシティ 株式会社エコシティサービス 2. (1)⑤
OSファシリティーズ 株式会社OSファシリティーズ 2. (1)⑤
サンキョウロジ 株式会社サンキョウ・ロジ・アソシエート 2. (1)⑤
PEO建機教習センタ 株式会社PEO建機教習センタ 2. (1)⑤
nextPCT 株式会社nextPCT 2. (1)⑤
キャリアエージェント 株式会社キャリアエージェント 2. (1)⑤
ISC就職支援センター 株式会社ISC就職支援センター 2. (1)⑤
OSベトナム OS VIETNAM CO., LTD. 1. (3)③
OSセルナジャヤ PT. OS SELNAJAYA INDONESIA 1. (3)③
OTTO OTTO Holding B.V. 2. (1)③
OTTOグループ OTTO及びOTTO子会社 2. (1)③
CPLグループ CPL RESOURCES LIMITED及びその子会社 2. (1)③
OSタイ OS (THAILAND) CO., LTD. 2. (1)③
OSPベトナム OS POWER VIETNAM CO., LTD. 2. (1)③
Exprochile GRUPOEXPRO HOLDING SpA及びその子会社 2. (1)⑥
ALP ALP CONSULTING LIMITED 2. (1)⑤
Faro Recruitment ベトナム
FAITH ROOT RECRUITMENT VIETNAM JOINT
STOCK COMPANY
2. (1)⑥
5
定義語 正式名称・意味等 初出箇所
HRS OS HRS SDN. BHD.及びその子会社 2. (1)⑥
Allen Lane ALLEN LANE LIMITED 2. (1)⑥
CDER CDER GROUP LIMITED及びその子会社 2. (1)⑥
Bluefin
BLUEFIN RESOURCES GROUP PTY LIMITED及び
その子会社
2. (1)⑥
PMP
PROJECT MANAGEMENT PARTNERS PTY LIMITED
及びその子会社
2. (1)⑥
SL
INVERSIONES SL GROUP SpA
2. (2)①
SLグループ SL及びSL子会社 2. (2)
BOSA
BACK OFFICE SOUTH AMERICA SpA
2. (2)②
A社
SLグループの現地顧問弁護士がオーナーで
あるリース会社で、SLグループのうちチリ及
びエクアドルにある子会社の経理業務の外注
先
2. (2)①
B氏
SLグループのGeneral Manager及び取締役並
びに発行済株式の49%を保有する株主
2. (2)②
C氏
ExprochileのGeneral Manager
2. (2)②
会計監査人 有限責任監査法人トーマツ 1. (2)①
決算短信等 決算短信及び四半期決算短信 1.
バーター取引
同一の取引先との間で売上取引及び経費取引
を行い、これにより売上高の水増し計上等を
行うこと
1. (4)⑥
内勤社員
営業従事者、事務作業従事者及び管理職等の
総称
2. (1)②
外勤社員
顧客メーカー等における現場作業従事者の総
称で稼働中の派遣契約社員を含む
1. (3)②
本件事案
OS及びOSグループにおける一連の不適切な
会計処理の問題の総称
1. (2)②
グループ報ONE TEAM
OS及び国内外グループ各社に四半期に1回
配信する経営陣のコメントや財務情報をメイ
ンコンテンツとしたグループ報
2. (1)②
グループ報Ratoon
OS及び国内グループ会社の内勤社員が主に
使用するポータルサイトにて原則月1回発行
し掲載している会社・拠点の紹介や事務連絡
をメインコンテンツとしたグループ報
2. (1)②
6
1. 改善報告書の提出経緯
OSは、2021年12月28日付「調査委員会調査報告書の受領に関するお知らせ」にて公表
しましたとおり、外部調査委員会から同日付で「調査報告書」を受領し、2022年1月14
日に過年度の有価証券報告書、四半期報告書、決算短信等の訂正を行いました。訂正した
過年度決算短信等及び当該訂正が業績に及ぼす影響額については、以下のとおりです。
(1) 過年度決算訂正の内容
① 訂正した過年度決算短信等
a. 有価証券報告書
・第23期(自 2019年1月1日 至 2019年12月31日)
・第24期(自 2020年1月1日 至 2020年12月31日)
b. 四半期報告書
・第24期第1四半期(自 2020年1月1日 至 2020年3月31日)
・第24期第2四半期(自 2020年4月1日 至 2020年6月30日)
・第24期第3四半期(自 2020年7月1日 至 2020年9月30日)
・第25期第1四半期(自 2021年1月1日 至 2021年3月31日)
・第25期第2四半期(自 2021年4月1日 至 2021年6月30日)
c. 決算短信
・2020年12月期決算短信〔IFRS〕(連結)
d. 四半期決算短信
・2021年12月期第1四半期決算短信〔IFRS〕(連結)
・2021年12月期第2四半期決算短信〔IFRS〕(連結)
② 過年度決算短信等の訂正による業績への影響
a. 有価証券報告書・決算短信 (単位:百万円)
会計年度 項目 訂正前 訂正後 影響額
変動率
第23期
(2019年12月期)
通期
売上収益
361,249
360,874 △375
△0.1%
営業利益
15,501
13,957 △1,544
△10.0%
税引前利益
13,478
12,116 △1,362
△10.1%
当期利益 9,095 8,197 △898
△9.9%
親会社の所有者に帰属する当期利益 8,336 7,439 △897
△10.8%
資産合計 239,179 238,757 △422
△0.2%
資本合計
64,993
63,846 △1,147
△1.8%
7
会計年度
項目 訂正前 訂正後 影響額
変動率
第24期
(2020年12月期)
通期
売上収益
366,711 365,135 △1,576
△0.4%
営業利益 14,337 13,333 △1,004
△7.0%
税引前利益
9,143
7,791 △1,352
△14.8%
当期利益
4,088
2,701 △1,387
△33.9%
親会社の所有者に帰属する当期利益 3,324
1,938 △1,386
△41.7%
資産合計 302,873 300,717 △2,156
△0.7%
資本合計 68,200 65,603 △2,597
△3.8%
※2018年以前に認識された不適切な会計処理の累積的影響額は、一括して2019年12月
期に反映しています。
※有価証券報告書提出時の金額に対する訂正であり、提出後に生じた企業結合に係る暫
定的な会計処理の確定に伴う遡及修正は入っていません。
b. 四半期報告書・四半期決算短信 (単位:百万円)
会計年度 項目 訂正前 訂正後 影響額
変動率
第24期
(2020年12月期)
第1四半期
売上収益
89,542 89,606 64
0.1%
営業利益 2,549 3,503 954
37.4%
税引前四半期利益 1,530 2,434 904
59.1%
四半期利益 1,049 1,519 470
44.8%
親会社の所有者に帰属する四半期利益 899 1,370 471
52.4%
資産合計 231,886 231,636 △250
△0.1%
資本合計 58,879 58,161 △718
△1.2%
第24期
(2020年12月期)
第2四半期
売上収益
172,628 172,540 △88
△0.1%
営業利益 3,305 4,496 1,191
36.0%
税引前四半期利益 2,046 3,193 1,147
56.1%
四半期利益 798 1,489 691
86.6%
親会社の所有者に帰属する四半期利益 664 1,354 690
103.9%
資産合計 234,445 234,273 △172
△0.1%
資本合計 60,110 59,676 △434
△0.7%
第24期
(2020年12月期)
第3四半期
売上収益
262,583 262,414 △169
△0.1%
営業利益 8,364 9,417 1,053
12.6%
税引前四半期利益 5,764 6,773 1,009
17.5%
四半期利益 3,112 3,650 538
17.3%
親会社の所有者に帰属する四半期利益 2,819 3,357 538
19.1%
資産合計 240,821 240,494 △327
△0.1%
資本合計 63,637 63,034 △603
△0.9%
8
会計年度
項目 訂正前 訂正後 影響額
変動率
第25期
(2021年12月期)
第1四半期
売上収益
123,896 123,801 △95
△0.1%
営業利益 5,206 5,573 367
7.0%
税引前四半期利益 5,464 6,133 669
12.2%
四半期利益 3,123 3,738 615
19.7%
親会社の所有者に帰属する四半期利益 2,767 3,382 615
22.2%
資産合計 332,905 331,055 △1,850
△0.6%
資本合計 74,363 72,390 △1,973
△2.7%
第25期
(2021年12月期)
第2四半期
売上収益
264,712 264,639 △73
△0.0%
営業利益 11,994 12,407 413
3.4%
税引前四半期利益 10,990 11,705 715
6.5%
四半期利益 6,472 7,124 652
10.1%
親会社の所有者に帰属する四半期利益 5,632 6,284 652
11.6%
資産合計 349,200 347,407 △1,793
△0.5%
資本合計 78,107 76,133 △1,974
△2.5%
※四半期報告書提出時の金額に対する訂正であり、提出後に生じた企業結合に係る暫定
的な会計処理の確定に伴う遡及修正は入っていません。
(2) 過年度決算短信等を訂正するに至った経緯・原因
① 会計監査人への内部告発
OSの子会社であるOSTの監査等委員会は、OSの会計監査人である有限責任監査法
人トーマツへの内部告発により、OSTの子会社であるEN(ENはOSのいわゆる孫会社
にあたります。)において、仕掛品計上について不適切な会計処理がなされている可
能性、OSTの内部監査室がこれを隠蔽している疑いがあることを把握しました。OSは、
OSTの監査等委員会からの依頼を受け、OS内部監査室による調査を実施し、その結
果、告発内容の一部と符合する内容があることを確認したため、外部の専門家による
調査を実施することとしました。
② 外部調査委員会の設置
OSは、透明性の高い調査を徹底かつ迅速に行うため、2021年9月29日開催の取締
役会において、日本弁護士連合会の定める「企業等不祥事における第三者委員会ガイ
ドライン」に準拠した、OSグループと利害関係がなく、独立した中立・公正な社外
の専門家のみを委員として構成される外部調査委員会を設置することを決議しまし
た。
外部調査委員会の調査の過程において、ENの親会社であるOST及びEN以外のOST
の子会社において不適切な会計処理が行われている疑義が認識されたため、2021年
10月16日に、外部調査委員会からOS及び会計監査人にOST及びEN以外のOSTの子
会社における不適切な会計処理も含めて調査範囲を拡大して調査を行う旨の連絡が
9
ありました。
さらに、2021年11月8日に外部調査委員会より、当該調査の過程において、OST
の親会社であるOSについても不適切な会計処理が行われている疑義が認識されたた
め、OSも調査範囲に含め、徹底的な調査を行う旨の連絡がありました。
その後、2021年12月28日付で外部調査委員会から「調査報告書」を受領し、本
件事案の全容が判明したことから、2022年1月14日に過年度の決算短信等の訂正を
行っています。
(3) 本件事案の概要
本件調査の結果、判明した不適切な会計処理の概要は以下のとおりです(なお、役職
名は、本件事案発生当時のもので記載しています。)。
OSにおける不適切な会計処理は、右肩上がりの成長への固執、予算達成や従業員賞
与への悪影響回避を目的として、主に、OS専務取締役の主導によって行われ、また、
OSにおける不適切な会計処理に協力した取引先との交渉は、専務取締役をはじめ、製
造・サービス統括本部の幹部によって行っていました。
OSTにおける不適切な会計処理は、右肩上がりの成長への固執、OSTの株式上場の準
備期間において少しでも営業利益を良くしたいという強い思い、それによる予算達成
へのさらなるプレッシャー及び従業員の賞与への悪影響の回避を目的として、OST執行
役員が主導して行っていました。
ENにおける不適切な会計処理は、主に、EN代表取締役の指示を受けた経理部長らに
より、EN代表取締役からの予算達成に対するプレッシャーや、従業員の賞与への悪影
響を回避する目的で行っていました。
① 売上架空計上
対象会社:OS、OST、EN、シンクスバンク、アドバンテック、モバイルコミュニケー
ションズ
【OS】
OS専務取締役の指示に基づき、OS執行役員が、OSが発注側としての取引がある
広告業者に、バナー広告や求人情報をOS保有の求人サイトに掲載してもらうこと
により売上を計上し、翌期に募集費や新卒イベント発注等の名目で当該金額の反
対取引を行うことで、売上の架空計上を行っていました。(2016年12月期、2018
年12月期~2020年12月期)
OS常務執行役員2名の指示により、取引業者の人材管理システムをOSTに購入
してもらい、購入該当金額相当のバナー広告をOS保有の求人サイトに掲載しても
らう反対取引で売上を計上することで、恣意的にOSとOSTの利益調整を行ってい
ました。(2019年12
月期)
10
【OST】
OST執行役員の指示に基づき、決算期末となる12月に架空売上を計上し、翌期
以降において、反対取引としての仕入取引を行うことで、架空売上の計上に係る売
掛金の回収名目でOSTに入金した資金を、一定の金額を上乗せして買掛金または
未払金の支払い名目で当該取引先に返済していました。(2019年12月期、2020年
12月期)
2019年12月期は、2020年1月に出された2019年12月分の売上速報における
数値が想定より低かったことにより実施しました。2020年12月期は、OST執行役
員1名が主導し、OST取締役やOST執行役員2名、その他の10名以上のOSTの役
職員及びOSTの複数の子会社の代表取締役2名、その他のOST子会社の役職員の
協力を得て実施していました。
【EN】
2016年12月期に架空売上を計上し、翌期の2月において、当該売上高の取消し
を行いました。
2017年12月期においては、EN代表取締役と面識のある協力会社に対して架空
売上を計上し、その際、さらにEN代表取締役と面識のある別の協力会社に対しEN
の西湘テクニカルセンターの実験棟及び試作研修棟の工事代金の一部を上乗せし
て支払い、当該資金を原資として架空売上先の協力会社から債権を回収していま
した。
2018年12月期においてもEN代表取締役と面識のある協力会社との架空売上計
上、2020年12月期においては、OSTにおいて、OST執行役員が主導し、EN代表取
締役に対して架空売上の計上に協力の得られる取引先を依頼し、架空売上の計上
を行っていました。(2016年12月期~2018年12月期、2020年12月期)
【シンクスバンク、アドバンテック、モバイルコミュニケーションズ】
上述のOSTと同様に、OST執行役員が架空売上に協力の得られる取引先の検討を
子会社の関係者へ指示し、当該子会社において架空売上の計上を行っていました。
(シンクスバンク:
2019年12月期~2020年12月期、アドバンテック:2021年12
月期、モバイルコミュニケーションズ:2019年12月期)
② 費用繰延(経費等の先送り)
対象会社:OS、OST、EN、RPM、トライアングル、スリーエス・ジャパン、共同エン
ジニアリング、PEO、ORJ、OTS
【OS】
・賃借料の先送り
OS執行役員の指示に基づき、OSが備品レンタル業者よりレンタルしている物
品の賃借料につき、「年末特別キャンペーン」と称して、担当者が備品レンタル
11
業者に当該期の10月~12月までの賃借料を減額させ、当該減額分を翌期の賃借
料に上乗せさせることで、費用計上の先送りを行っていました。(2016年12月
期、2018年12月期、2019年12月期)
・支払手数料(入社祝い金)の先送り
入社祝い金とは、求職者がOSの求人に応募した場合に、求職者による入社等
を支給条件として、求職者の入社後等に、OSから当該求職者に対して支払われ
る手当です。
本来、支給要件を満たした場合に、入社日の属する月の経費(支払手数料)と
して入社祝い金を費用計上すべきであるところ、OSにおいて、入社祝い金の費
用計上に関する社内規程等がないことに加え、担当者の経理知識の不足により、
申込書の「支給方法」に記載の支給日の属する月の費用として費用計上していま
した。(2016年12月期、2018年12月期、2019年12月期)
・募集費の先送り
OS執行役員の指示に基づき、OSの外勤社員を募集するために利用した広告業
者に対して、各月で発生した募集費は本来当該発生月に費用計上すべきところ、
当該業者と交渉し減額させた金額を記載した請求書を作成し、他方、当該減額分
を翌期の請求書において上乗せした金額で請求させることにより、募集費計上
の先送りを行っていました。(2016年12月期、2018年12月期~2020年12月
期)
・その他の経費の先送り
OS専務取締役の指示に基づき、各担当者が雇い入れ時の健康診断や定期健康
診断の受診料、作業服代の費用計上の先送りを行っていました。(2016年12月
期、2018年12月期、2019年12月期)
【OST】
・募集費の先送り
予算達成が難しく未達幅が大きい見込みとなった場合に、執行役員1名が予
算達成の未達幅縮小のために募集費の先送りを計画・実行しており、本来費用計
上すべき時期に計上せず、これを翌期に先送りして費用計上していました。当 該
募集費は、人材紹介会社から前払いでチケット(たとえば、採用者50人分等)
を購入し、当該人材紹介会社を通じて、外勤社員を採用した場合に、採用した人
数に相当するチケット分を前払費用から募集費に振り替えて、費用計上すべき
ものです。しかし、OSTにおいては、当該人材紹介会社を通じて外勤社員を採用
した場合であっても、本来計上すべき時期に当該チケット分の前払費用を募集
費に振替計上せず、前払費用として計上したままにして、募集費の先送りを行っ
ていました。(2017年12月期~2021年12月期第3四半期)
12
・外注費の先送り
予算達成が難しく未達幅が大きい見込みとなった場合に、OST執行役員が部下
に指示し外注業者の協力を得て、決算期末である12月に発生した外注費を翌期
以降に請求させることで、外注費の先送りを行っていました。(2018年12月期
~2021年12月期第3四半期)
【EN】
・その他の経費の先送り等
EN代表取締役の指示に基づき、経理部長が、経費として発生した月に計上し
ない、あるいは恣意的に減額して計上し、現預金支出が発生した月(翌期または
翌四半期)に計上していました。また、労働保険料・社会保険料に関して、概算
計上額を恣意的に計上しない、あるいは、減額して計上していました。(2016年
12月期~20 21年12月期第2四半期)
【ORJ】
・支払手数料(入社祝い金)の先送り
OS同様、入社祝い金については、本来、支給要件を満たした場合に、入社日
の属する月の経費(支払手数料)として入社祝い金を費用計上すべきであるとこ
ろ、入社祝い金の費用計上に関する社内規程等がないことに加え、担当者の経理
知識の不足により、申込書の「支給方法」に記載の支給日の属する月の費用とし
て費用計上していました。(2016年12月期)
・送迎費の先送り
ORJ代表取締役の指示に基づき、担当者が、送迎業者に対し「年末特別値引き」
として減額させた金額を、翌年の当該業者からの請求書において「特別支援金」
として増額し、前期の不適切な会計処理の減額分を返済することにより、送迎費
計上の先送りを行っていました。(2016年12月期)
・その他の経費の先送り
ORJ代表取締役の指示に基づき、担当者が旅費交通費等の経費計上の先送りを
行っていました。(2016年12月期)
【PEO】
・送迎費の先送り
PEO代表取締役の指示に基づき、ORJ同様に、担当者が送迎費用計上の先送り
を行っていました。(2018年12月期、2019年12月期)
・その他の経費の先送り
PEO代表取締役の指示に基づき、担当者が実習生の講習費等の費用計上の先送
りを行っていました。(2018年12月期、2019年12月期)
13
【共同エンジニアリング】
・募集費の先送り
共同エンジニアリング代表取締役の指示の下、採用部及び経理課により募集
費の先送りを行っていました。(2017年12月期~2021年12月期第3 四半期)
【RPM、トライアングル】
・募集費の先送り
RPMでは、RPM代表取締役の指示に基づき、管理部担当者が、本来発生月に費
用計上すべきところ、発生月ではなく支払月に費用計上しており、また、チケッ
ト制の募集費(支払時前払費用計上)については、営業利益の月次実績が予算を
達成したときに費用計上をする等、費用計上する時点を恣意的に操作していま
した。(2016年12月期~2021年12月期第3四半期)
トライアングルも同様に募集費の先送りを行っていました。(2016年12月期
~2021年12月期第1四半期)
【OTS】
・その他の経費の先送り
OTS代表取締役の指示に基づき、担当者が教育費と外注費の先送りを行ってい
ました。(2016年12月期)
【スリーエス・ジャパン】
・外注費の先送り
OTSと同様に、外注費の先送りを行っていました。(2017年12月期~2019年
12月期)
③ 売上早期計上
対象会社:EN、RPM、トライアングル、スリーエス・ジャパン、シンクスバンク、
OSセルナジャヤ、OSベトナム、ORJ、OTS
【EN】
EN代表取締役の指示に基づき、一部の受託案件に関し、まだ検収が終了してい
ないにもかかわらず、売上の前倒し計上を行っていました。(2019年12月期第1
四半期、2020年12月期第4四半期)
また、ダンパーテスターの販売取引にお いて、商品が未着にもかかわらず、売 上
の前倒し計上を行っていました。(
2020年12月期第4四半期)
【RPM】
RPM代表取締役の指示に基づき、臨床開発本部担当者及び管理部担当者が取引先
検収時に売上計上すべき請負契約につき、契約書で定められた役務を提供してい
ないにもかかわらず、請求書の発行をもって前受金入金時に売上の計上を行って
いました。(2015年12月期第3 四半期~2021年12月期第3四半期)
14
【トライアングル】
一部の契約において役務提供が完了していないにもかかわらず、売上の前倒し
計上を行っていました。(2016年12月期~2021年12月期第1四半期)
【スリーエス・ジャパン】
業務が長期にわたる一部の案件において、業務が終了していないにもかかわら
ず前金請求時に売上計上するという売上の前倒し計上を行っていました。(2017年
12月期第1四半期~2019年12月期)
【シンクスバンク】
スクール事業の授業料の前受分について、授業の進捗に基づかず、予算に沿うよ
うに収益認識をしていました。(2016年12月期第1四半期~2021年12月期第2
四半期)
【OSセルナジャヤ、OSベトナム】
OSセルナジャヤにおいては、担当者の経理知識の不足により、現地採用者に対
する教育研修の取引において、契約書に記載の日付より前倒して請求し、売 上の計
上を行っていました。(2019年12月期)
OSベトナムにおいては、事業管掌者である常務執行役員の指示に基づき、請求
の時期が明確に記載されていない契約書を締結している状況で、教育研修取引の
売上につき恣意的に前倒し計上を行っていました。(2019年12月期)
【ORJ、OTS】
ORJ、OTSにおいては、それぞれの代表取締役の指示に基づき、各担当者が締め
後調整、すなわち、取引先への請求の締め日から期末日までの期間において恣意的
に調整した売上の計上を行っていました。(2016年12月期~2017年12月期第1
四半期)
④ 仕掛品過大計上
対象会社:OST、EN、RPM、グローカル
【OST】
仕掛品に関して、本来、計上された売上高に対する仕掛品残高を売上原価に計上
しなければならないところ、仕掛品残高の一部を他の仕掛品残高に付け替え、営業
利益の水増しを行っていました。OSTの着地見込みに対して、営業利益等の業績が
足りない場合に、OST
執行役員の指示により経理担当者が、残高が残っている仕掛
品に関して、それぞれの受注額、仕掛品残高、発生見込原価等から合理的な説明が
可能な調整額を検討し、これを経営管理本部担当者に伝え、併せて、仕掛品残高に
係る明細の金額を調整することにより仕掛品過大計上を行っ ていました。(2016年
12月期~2021年12月期第3四半期)
15
【EN】
EN代表取締役の指示に基づき、架空在庫の計上、試験部における各期の仕掛品
残高の不適切な調整、碧南デザインセンターにおける仕掛品の費用化時期の調整
を行っていました。(2017年12月期~2021年12月期第3四半期)
【RPM】
RPM代表取締役が、2014年12月期より経営責任の追及を回避する目的で仕掛品
過大計上を行っていました。その後の後任者も、営業利益の水増しにより予算の未
達幅を縮小する目的及び受注損失引当金の計上を回避する目的で、臨床開発本部
担当者及び管理部担当者に指示を行い、失注等に係る仕掛品残高について、仕掛品
原価を費用処理すべきところ、一部費用処理せず仕掛品残高として不適切な調整
を行っていました。(2014年12月期~2021年12月期第3四半期)
【グローカル】
グローカル代表取締役が経営責任の追及を回避する目的で仕掛品過大計上を
行っていました。営業利益の水増しにより予算の未達幅を縮小する目的で、担当者
へ仕掛品原価の一部を翌期に計上時期を変更するように指示して不適切な会計処
理を行っていました。(2019年度12月期)
⑤ 前渡金の過大計上
対象会社:EN
EN代表取締役の指示に基づき、前渡金が計上されている取引について、仕入等の
費用が発生したにもかかわらず、該当する前渡金から費用への振替処理を行いませ
んでした。(2016年12月期~2020年12月期)
⑥ 受注損失引当金過少計上
対象会社:EN、RPM
【EN】
EN代表取締役の指示に基づき、請負案件につき見積総原価が受注金額を上回る
ため、本来該当する損失部分について受注損失引当金を計上しなければならない
ところ、経理部長の指示により、進捗の低い仕掛案件に原価を付け替えて、受注損
失が発生していないように偽装し、受注損失引当金の計上を回避していました。
(2020年12月期第1四半期~2021年12月期第2四半期)
【RPM】
ENと同様に、RPM代表取締役の指示に基づき、臨床開発本部担当者が受注損失引
当金過少計上を行っていました。(2014年12月期~2021年12
月期第3四半期)
16
⑦ 売上の付け替えによる減損損失回避
対象会社:EN
減損会計のグルーピング単位である事業所の売上について、減損損失回避のため
会計伝票を改ざんし、業績の良い事業所から業績の悪い事業所に付け替えていまし
た。それにより、会計帳簿上、事業所損益が歪められ、本来識別すべき減損の兆候が
識別されませんでした。
経理部長からの要請であったこと、OST株式の上場を控えENにおける減損兆候あ
りとの判定を回避したかったこと、EN執行役員が自身の所属部署が管掌する拠点の
実績が原因で減損兆候ありとの判定が行われることで自身の責任を問われることを
恐れたことから、EN執行役員が売上の付け替えを行っていました。(2019年12月期
~2020年12月期)
⑧ 固定資産の不適切な計上
対象会社:EN
EN代表取締役の指示に基づき、経理部長が、販売用として仕入を行った可視化単
気筒エンジン改造を固定資産として計上していました。(2020年12月期第2四半期)
また、販売用で仕入れ、売却済みのダンパーテスターを固定資産として計上していま
した。(2020年12月期)
⑨ ソフトウェア過大計上
対象会社:RPM
RPM代表取締役の指示に基づき、臨床開発本部担当者及び管理部担当者が、失注も
しくは追加請求ができず回収不能となっていた仕掛案件について、本来は費用処理
すべきところを、開発中の社内利用ソフトウェア(無形固定資産)への振替処理をし
ていました。(2015年12月期)
⑩ 前受金の不適切な計上
対象会社:EN
EN代表取締役の指示に基づき、経理部長が修繕費及び消耗品費として発生した費
用について、これを費用計上せずに、当該費用とは関係のない前受金と相殺していま
した。(2019年12月期)
(4) 不適正開示の発生原因の分析
① 右肩上がりの成長への固執、予算達成へのプレッシャー
OSグループの業務執行にかかわる各取締役及び各執行役員(以下、各役員)は、
事業運営に必要な権限を委譲されており、その迅速な経営判断から、競合他社を凌ぐ
17
成長を成し遂げることができていました。一方、OSが上場企業として市場から事業
成長を期待されていることを各役員とも理解しており、市場からの期待に過度に応
えようとする姿勢が、実現可能性やリスク検討が不十分な予算作成につながりまし
た。そして、各役員は管掌分野において自らが市場に対してコミットしている自覚を
持っていたため、進行期に策定した予算が未達成になる可能性が高まった際に、自ら
に強いプレッシャーをかけていました。
加えて、2018年6月よりOSTの株式上場の検討を開始しており、検討過程におい
て「OSTが中核的な子会社に該当しない」ことを各役員は強く意識していました。そ
のため、OSにおいては、業績を伸ばすことにより、グループにおけるOSTの業績依
存度を下げることの必要性を認識していました。OSTにおいても、OSと連動して中核
的子会社に該当することを避けつつ、連結業績へ最大限貢献することを目指してい
ました。
また、2011年~2014年にかけては、予算未達から業績の先行きを不透明と感じる
ようになり、賞与支給額を抑えた結果、従業員のモチベーションが低下したという経
験がありました。その経験から、賞与支給額の算定において予算達成度の評価ウェイ
トを引き下げる等、業界相場や世間相場、トレンドから逸脱しない水準での賞与支給
額の確保に努めてきたものの、予算未達が賞与支給額の減額につながりかねないと
考えて予算達成にこだわる役員もいました。
各役員への権限委譲と役員それぞれが市場や従業員の期待に応えていくという強
い思いが、これまでの成長を支えてきたことは事実です。反 面、営業努力や経費削減
によって予算達成が叶わなかった場合において、各役員が本来であれば予算未達と
なることを受け止めるべきところ、予算達成にこだわってしまったこと、ひいては右
肩上がりの成長に固執してしまったことが、本件事案を実行してしまったと認識し
ています。
② 事業部門の適切な会計処理に関する意識と知識の欠如と牽制すべき経理部門の未
成熟な体制
a. 事業部門役職員の会計に関する倫理観の欠如と会計基準の理解不足
OS事業部門及び子会社の事業責任を担う役職員は上述のとおり、右肩上がりの
成長に固執し、自らがかけた予算達成のプレッシャーがあったため、自らの会計知
識の研鑽意欲や会計に関するコンプライアンスの優先順位が下がっていました。
また、コンプライアンスは労働関連を中心とした法令遵守と狭く捉えており、コン
プライアンスについての十分な啓発活動や情報発信が組織として実施できていな
かったことから、会計に関する教育、周知は不十分な状態でした。本件事案につい
ても、過去に会計監査人から指摘を受けなかった経緯から、会計上の問題があると
の知識や認識に乏しくなり、会計監査人に対して取引の実態に即した正確な説明
18
をせずとも、何らかの説明ができれば問題ないという意識が醸成され、会計に関す
る倫理観が欠如していました。
b. 事業部門役職員の規範意識の鈍麻による不適切会計の正当化・常態化
上述のとおり、OS事業部門及び子会社の役職員は、数年間にわたり本件事案が
発覚しなかったことから、一部に本件事案に対する後ろめたさがありつつも、大丈
夫だろうとの思い込みや、処理自体を正当化してしまい、不適切な運用を継続して
いました。
結果、役職員に根付いた会計に関する倫理観の欠如と知識不足から、各役員は部
下が同様の手口で本件事案を行っていたとしても、自分なりの基準で許容してし
まい、適切な判断・指導が行えず、部下による不適切な運用を継続することにつな
がりました。
c. 経理部門の人員不足
経理部門においては、事業規模の急拡大に合わせて、常にあらゆる階層での採用
活動として通年10名前後の募集を行っていましたが、増員補強及び育成が追い付
かず、業務の負荷が掛かり、慢性的に人員が不足していました。また、事業の拡大
は、国内に留まらず、海外や人材サービス業の周辺事業にまで及んだため、経理部
門内において事業の中身を事業部門・子会社と同等以上に理解し、牽制機能の役割
を果たす、いわゆる目利きのできる人材の育成をすることができませんでした。ま
た、親会社から経理担当者の出向等による子会社管理もほとんど行ってきません
でした。そのため、事業の中身を理解し、注意事項等が反映されている細かなマ
ニュアル・ガイドライン等の文書を作成するには至らず、事業部門にとって都合の
いい解釈の余地が残る、不正を事前に察知することができない、あくまでも形式的
な会計処理に関する規程が存在するだけとなっていました。
結果、慣例的に経理部門が関与しない体制と、事業部門だけで会計処理の内容を
決めることが可能な運用が定着し、関係部署による経費計上時期の恣意的な操作
等が容易な状態となっていました。
d. 会計処理に対する誤った理解と会計監査人に対する不適切な対応
本来であれば、OSの事業部門は会計監査人に対して取引の背景、実態等を正確
に説明した上で、会計・経理の観点で留意すべき点の意見を伺うべきであるものの、
最終的に無限定適正意見を得ることができれば「問題がない」と考え、本件事案を
押し通すことを正当化していました。
会計監査人に対しては、事業部門の役職員は取引当時の認識や実態を断片的に
しか告げず、実態と異なる証憑書類を作成して提出する等、不適切な対応を続けた
19
結果、会計監査人も正確に実態を把握できない状況を作っていました。
③ 内部牽制及び内部監査が不十分であったこと
a. 不十分な内部牽制
各セグメントを統括する取締役及び執行役員は、各セグメント内において強い
権限を有しており、不適切な会計処理を行うこと、または、部下に対して不適切な
会計処理を指示して実行することが可能な体制となっていました。
また、いくつかの事業部門において特定の役職者が内部統制を無効化してし
まったことが本件事案の発端ともなりました。この背景には、事業部門の所管範囲
が広範に及び、取引がOS経理部門の牽制を受けることなく事業部門内で完結する
業務フローの存在があったと考えています。
これに対し、社内取締役は、事業部門が強い権限を持っていること、また内部牽
制機能が不十分であることを認識しつつも、急速に拡大する事業規模を支えるた
めの営業部門や採用部門の人員増強にフォーカスし、内部統制のための管理部門
の人員強化と教育に十分な投資を行いませんでした。
その結果、事業部門の業務に十分な牽制が効かないことにより不適切な会計処
理が実行できてしまう脆弱さが改善されないまま、本件事案が継続していました。
b. 不十分な内部監査
内部監査部門として、2020年末時点でOS内部監査室は6名が在籍していました
が、関係会社の増加や既存事業拠点の業績の伸長により監査範囲が拡大していま
した。そのため、監査リソース不足は常に認識しており、主に海外での内部監査に
対応できる人員3名を補充すべく採用活動は年間を通じて継続して行っていまし
た。しかし、当時の内部監査人員の採用にあたっては、特に関係会社の増加が著し
い在外グループ会社に対応可能な人材を優先していたため、即戦力となる語学力
や海外監査経験を有した人材の採用に苦戦し、なかなか増員を果たせず、傘下に当
時約200社の連結子会社を有する企業の内部監査体制としては十分ではなかった
と考えています。同様に、OSTの内部監査室も3名体制であり、上場に向けた内部
統制評価制度への対応や急拡大する事業規模、新たにM&Aで加わった関係会社
への内部監査等、急激に拡大した内部監査室の業務範囲に対し、人材の採用や教育
が追い付いていなかったことから、人員は不足していたと認識しています。
一方で、内部監査室の活動においては、過去の内部監査において発見された不備
の傾向から、勤怠管理等を中心として労働基準法や派遣取引に係る労働者派遣法
等、事業運営上のコンプライアンス監査(業務監査)を優先していました。また、
多くの不適切な会計処理が発生した年度末決算の時期は、年末年始休暇と繁忙期
が重なり事業部門が内部監査に対応できないことから、定期監査の実施を例月に
20
比べ極力回避していました。さらに、経理関連の内部監査においては、監査プログ
ラムにある基本的な経理関連の確認項目に対し、直近月の請求書と支払金額の突
合といった単純な経理処理の正確性を確認していたに過ぎず、違和感を持った場
合でも、詳細確認をせずに事業部側の説明をそのまま受け取っていました。加えて、
会計監査人による監査への信頼性から、現状以上の積極的な会計上の確認を怠っ
ていたこと等もあり、本件事案に対する十分な内部統制機能を果たしていません
でした。
④ 取締役会及び監査等委員会における監視・監督機能の不備
a. 取締役会による監督の機能の不備
予算策定段階において、過去の予算の達成の根拠や未達成の要因分析や予算の
実現可能性の検証が不十分なまま策定されており、運用段階においても、社内外の
事業環境変化に伴うリスク管理と対策についての議論も不十分でした。
そのため、事業環境が悪化した局面で、本件事案を行って予算を達成していても、
取締役会ではその兆候にすら気付くことができなかったと考えています。
特に社外取締役は、業績管理を通じた監視・監督機能の発揮が重要であるとの認
識を持ち合わせていたものの、取締役会での業績見通しやKPI進捗等の報告は予
算達成が可能であることを前提とした内容に偏っていることが多く、右肩上がり
の成長を遂げてきた実績があったこともあり、予算の実現可能性や、リスクの所在
及び管理の十分性について疑念を持つことがなく、牽制を効かせることができな
かったと考えています。
b. 監査役、監査等委員による監査機能の不備
OSグループの監査等委員、監査役は、複数の子会社の監査役を兼任し、執行役
員等の教育についても役割を求められる等、負担も大きく、本来の業務である監査
機能を十分に発揮しきれていなかったと考えています。
また、監査等委員、監 査 役は、会計監査人との間で月1回以上の面談機会を設け
ており、経営者との面談で会計処理に関し改善を求めることはあったものの、基本
的には会計監査は会計監査人に全面的に委ねており、本件事案の早期発見に対す
る十分な監査・監督機能を有していなかったと考えています。
⑤ 内部通報制度の機能不全
内部通報制度については、OS及び国内グループ会社には株式会社労働新聞社を、
また、在外グループ会社については現地の外国弁護士を社外窓口とする内部通報窓
口を設置してい ました。しかしながら、OSでは内部通報規程が未制定だったこと、
また、従業員に対し、通報内容の秘匿性や、通報者の匿名性と保護が厳格に行われる
21
ことを十分に周知していなかったため、本件事案の早期段階での内部通報が行われ
ませんでした。
これまで、内部通報があった際には、通報事案の重大性・重要性を法務部長が判断
し、必要と思われる事案については取締役会に報告することを内部ルールとして定
めていました。し か し、年間数十件の通報実績はあるものの、そのほとんどがクレー
ムや相談等の軽微な内容であったため、取締役会において通報事案を取り上げるこ
とはなく、また、内部通報制度の有効性を省みるきっかけもありませんでした。
結果、本件事案も、OSグループの窓口ではなく会計監査人への内部告発により発
覚したことから、OSグループの内部通報制度は十分に機能していなかったと考えて
います。
⑥ 取引先からの本件事案への協力を得られやすい事業環境にあったこと
OSグループの取引先は中小企業が多く、 取引先に対してバーゲニング・パワーを
有することが多い状況であったこと から、バーター取引等を行う上で、本件事案に関
する協力を得やすい状況にあったことも、本件事案を継続して行うことができた一
因であると考えています。
22
2. 改善措置並びにその実施状況及び運用状況等
(1) 改善報告書記載の改善措置並びにその実施状況及び運用状況
① 経営責任の明確化
【改善報告書に記載した改善策】
本件事案の関与者に対する経営責任については、2022年1月14日付 「再発防止
策の策定等に関するお知らせ」にて公表しましたとおり、OS取締役3名及びOST
取締役2名の処分を2022年1月17日付で実施しました。
a. OS取締役の処分
代表取締役会長兼社長 基本報酬 50%減額(3か月)
取締役副社長 専務に降格の上、基本報酬 30%減額(3か月)
専務取締役 辞任
b. OST取締役の処分
代表取締役社長 辞任
取締役経営管理本部長 辞任
また、その他、本件事案に関わった執行役員以上の者の処分は、2022
年2月1
日付で実施しました
。いずれも降格処分に加え、これまで所属していたラインから
外れ、実質的に影響力を行使できない立場としています。
【実施・運用状況】
改善報告書に記載のとおり、処分を実施済みです。
一部、役員交代ができていない在外グループ会社がありましたが、2022年8月末
をもって解消しています。
なお、OSはOS元専務取締役が代表を務める会社と、OSTはOST元代表取締役社長
が代表を務める会社と、「業務引継ぎ及びアウトソーシング事業の企画立案サポート
に関する契約」を2022年2月に締結していました。
これは、OS及びOSTグループにおいて不適切会計による急な役員人事があったた
め、OSグループの事業継続上、喫緊の対応として暫定的に必要であると判断した上
で契約したものです。その後、業務運営やコンサルティングの状況を勘案し、顧客や
従業員の流出抑止及び後任者へのサポート業務に一定の目途が立ったため、2022年
7月末をもって2社との契約を終了していま す。
② 経営トップ主導の企業風土改革(1.(4)①に対応)
【改善報告書に記載した改善策】
本件事案がOSグループの複数の会社で発生した背景には、内部管理体制の課題
もさることながら、右肩上がりの成長に固執する企業風土が影響したものと考え
23
ています。こうした企業風土は、意図せず発せられたトップマネジメントや各役員
からの、予算や業績に関する日々のメッセージを、配下の従業員があたかも予算達
成が最重要であるかのように受け止めた結果、醸成されたものと考えています。
今後、こうした企業風土を改革すべく、経営トップ自らが、企業経営においてコ
ンプライアンスが最重要であること、実体を伴った成長こそが企業価値の向上に
つながり利害関係者に歓迎されること等のメッセージ発信を通じて、OSグループ
の役職員に対して継続的に働きかけることで、コンプライアンスを最重視しなが
ら健全な成長を目指す企業文化の醸成を推進していきます。
なお、OS
グループの主要事業である顧客への人材派遣・請負といった人材サー
ビス事業の特性上、外勤社員は右肩上がりの成長を求められる状況になく、本件事
案のような行為を働ける状況にもありません。そのため、企業風土改革に向けた各
施策は内勤社員を対象として実施しはじめます。しかし、コンプライアンス重視の
企業風土の醸成は外勤社員を含めてその機運を高めていくことで加速するものと
考えているため、今後、外勤社員への展開も計画していきます。
トップ主導の企業風土改革に向け、具体的には、以下の施策を実行していきま
す。
【実施・運用状況】
改善報告書に記載のとおり、経営トップ主導の企業風土改革に向けた施策を進め
ており、現在に至るまで以下a.~d .の改善措置の実施及び運用を行っています。
a. 再発防止推進委員会の発足
【改善報告書に記載した改善策】
再発防止策の実効的な推進に向け、代表取締役会長兼社長を委員長とする再発
防止推進委員会を2022年2月18日付で設置しました。
再発防止推進委員会は、OS取締役会直下に位置し、代表取締役会長兼社長 土井
春彦が委員長を務め、委員には専務取締役 鈴木一彦、取締役
福島正が就任し、再
発防止策の実行計画(タスクリスト)について、責任を明確化し、その施策につい
て執行責任を負い、施策の進捗状況を確認します。必要に応じて外部専門家(弁護
士、会計士、議題に必要なスキル保持者)を活用し、再発防止策を実効的に進めて
いきます。各部
門の役職者による再発防止推進委員会事務局にて、週に1回実行状
況を把握し、月に2回開催する再発防止推進委員会に報告します。
なお、再発防止推進委員会の活動状況は、月1回の頻度で再発防止推進委員から
取締役会へ報告することにしており、再発防止策が計画に沿って進められていな
い等の状況に対しては、取締役会がその経緯から是正結果まで確認を行います。
(2022年2月28日に第1回委員会を開催済み。)
24
【実施・運用状況】
再発防止推進委員会事務局では、週1回の定例会議(以下、事務局会議)を実施し
ています。事務局会議の実施前には各再発防止策の担当者が参加する会議において、
タスクリストに基づき進捗状況の確認をしています。その上で進捗状況に合わせて
必要に応じて担当者へ事務局会議への出席を求めて詳細を確認するとともに、再発
防止策が有効となるよう協議しました。2022年9月22日現在までに29回の事務局
会議を開催し、再発防止推進委員会へ進捗報告をしました。
再発防止推進委員会は月2回の頻度で開催し、再発防止推進委員会事務局から報
告を受けた再発防止策の進捗状況及び実効性の確認を行い、対応方針を協議してい
ます。2022年9月22日現在までに13回の委員会を開催しました。再発防止推進委
員会において確認、協議した内容は、毎月OS取締役会に報告しています。また、再
発防止策を実効的に進めるため、2022年3月31日付で外部のコンサルタントである
みずほリサーチ&テクノロジーズ株式会社と再発防止策実行支援に関するコンサル
ティング業務委任契約を締結し、再発防止策に関するアドバイス及び資料提供を受
けながら再発防止策の推 進を図っています。
b. 各拠点における経営トップとのタウンホールミーティングの開催
【改善報告書に記載した改善策】
経営トップである代表取締役が、札幌、仙台、東京、名古屋、大阪、福岡の6拠
点を訪問して、OS
及び国内グループ会社の役職員と直接対話するタウンホール
ミーティングを開催します。タウンホールミーティングでは、代表取締役が、参加
する役職員との直接対話を通じてコンプライアンスの重要性を自らの言葉で伝え
るとともに、参加する役職員からの質問や疑問に対する意見交換を行うことを通
じてコンプライアンス意識の浸透を図ります。
タウンホールミーティングの開催については、社長室が所管し、初回は2022
年
4月から順次実施する予定であり(感染症の状況によっては期間または実施方法
を変更する可能性があります。)、今後、年1回の頻度での開催を予定してい
ます。
【実施・運用状況】
OSは本件事案の再発防止に向け、経営陣と現場との相互理解を深めることを目的
として、2022年4月11日~4月13日にかけて全国5拠点でタウンホールミーティ
ングを開催し、OS及び国内製造・サービス系グループ会社の課長職以上(一部拠点
長のため係長も含む)423名を対象に招集し、292名が参加し、代表取締役会長兼社
長 土井春彦が対話しました。
ミーティング内では1) 不適切会計・今後の会社としての取組についての説明、2)
質疑応答の2点を実施しました。
25
[第1回タウンホールミーティング(国内製造・サービス系グループ会社) 2022年]
開催場所 開催日 参加対象者 当日の参加人数
札幌 4月13日 20名 15名
東京 4月12日 227名 163名
名古屋 4月11日 90名 55名
大阪 4月11日 60名 40名
福岡 4月12日 26名 19名
※開催予定だった仙台は、開催時期に地震で交通に影響が出ていたため、仙台での参加予定者は札
幌会場で参加しました。
ミーティング終了後は収集した意見をもとに課題を洗い出し、役員へ報告の上、改
善策について議論を行い、事務の効率化による現場の負荷低減等の課題解決に向け
て取り組んでいます。第2回は、2022年8月22日及び29日に開催しました。参加
者は、第1回で抽出された課題に沿ったメンバーを招集し業務改善等について議論
しました。
[第2回タウンホールミーティング(国内製造・サービス系グループ会社) 2022年]
開催場所 開催日 参加対象者 当日の参加人数
大阪 8月22日 17名 17名
東京 8月29日 36名 35名
OSTについては、経営トップであるOST代表取締役社長 鈴木一彦が参加し、役職
員との直接対話を通じて、コンプライアンスの重要性を自らの言葉で伝えるととも
に、参加する役職員からの質問や疑問に対する意見交換を通じて、コンプライアンス
意識の浸透及び醸成を図ることを目的とし、2022年7 月22日にタウンホールミー
ティングをオンラインで開催しました。同タウンホールミーティングは、役員、管理
職及び一部の課長代理・係長の197名を対象に招集しました。内容としては、1)OST
代表取締役社長 鈴木一彦からのメッセージ、2) 本件事案の概要及び再発防止策の進
捗、3)質疑応答・意見交換の3つの議題を取り上げました。
また、本件事案が発生したOSTグループのEN、RPMについても2022年7月26日
に、OSTのタウンホールミーティングと同様の内容にてオンラインで実施しました。
c. グループ報による経営トップコメントの発信
【改善報告書に記載した改善策】
グループ報ONE TEAMを活用し、コンプライアンスが企業経営の前提であるこ
と、これを前提に成長を追求してこそ企業価値が向上すること等の経営トップか
26
らのコメントを定期的に発信し、コンプライアンス意識の浸透を図ります。
トップコメントの発信については、社長室が所管し、初回は2022年4月を予定
しており、それ以降は四半期に1回の頻度での発信を予定しています。
【実施・運用状況】
グループ報ONE TEAMに経営トップからのコメントを掲載し、OS及び国内グループ
会社については、2022年4月22日に社内ポータルサイ
次権利日 | 優待利回り | 貸借区分 | 前日終値 |
12月27日 (92日) | 0.82% (GL11.8) | 貸借銘柄 | 1142円 |
優待関係適時開示情報 |
東京証券取引所への「改善状況報告書」の提出に関するお知らせ(22/09/22) |
優待基礎データ
利回り
利回り区分 | 利回り(100株) |
---|---|
配当利回り | 0% |
優待利回り | 0.83% |
総合利回り | 0.83% |
※優待利回りについて、市場価格が不明なものは比較のために公称価格に対して独自に係数をかけています。例えば、カタログギフトは0.6倍、食品は0.5倍、自社商品は0.4倍などとなっておりますので優待利回りについてはご参考までにご覧くださいませ
株数毎の必要金額
株数 | 概算必要金額 |
---|---|
100株 | 約11万円 |
500株 | 約57万円 |
5000株 | 約571万円 |
25000株 | 約2855万円 |
一般信用関係データ
クロスコスト計算
直近の一般信用在庫履歴(過去24時間)
前回権利日の一般信用在庫(過去30日間)
カブドットコム証券における過去1週間の抽選倍率
日付 | 抽選対象在庫 | 申込株数 | 抽選倍率 |
---|---|---|---|
23年10月02日 | 260100株 | 0株 | 0倍 |
23年9月29日 | 260100株 | 0株 | 0倍 |
23年9月28日 | 260100株 | 0株 | 0倍 |
23年9月27日 | 260100株 | 0株 | 0倍 |
カブドットコム証券における過去1週間のプレミアム料推移
制度信用関係データ
理論逆日歩
直近の逆日歩履歴
日時 | 逆日歩 | 日数 | 貸株超過 | 規制 |
---|---|---|---|---|
9月29日 | 0円 | -日 | - | |
9月28日 | 0円 | -日 | - | |
9月27日 | 0円 | -日 | - | |
9月26日 | 0円 | -日 | - | |
9月25日 | 0円 | -日 | - |
当該ページの情報については、情報の正確性のチェックはしておりませんため、誤った情報が表示されている可能性があります。このことについてご留意頂き、投資判断においてはご自身で再度情報の正確性をご確認いただきますようお願いいたします。